光の化身
だあれもいなくなった放課後の校庭で、一人、
オレンジ色染まった地面に、釘で絵遊びをしていました。
気配に気付いて、ふと目をやると、
緑色の宝石が斜光に照らされてキラキラ輝いているではありま
せんか。
「神様が私のために置いて下さったのだ」と、すぐに分かり
駆け寄って拾い上げ、掌に包んで持って帰りました。
その、ラムネ瓶のカケラは、今でも、お大事箱の中にあります。
これが、光とガラスと私の関係性の原点かもしれません。
ヒトの本能に働きかけ、無限に表情を変化させる光
その、千変万化の美しさを「捕える・籠らせる・透過させる」
物質…
それが、ガラスです。
そう、ガラスは光の化身です。
そんなガラスと相談し、格闘し、遊ぶのが、私の仕事です。
「次は、どんな光を捕まえましょう?」